11/18〜22の期間で台湾と西粟倉の相互交流の一環で、台北〜台東の視察団にnottuoも参加してきました。
これまでに2度ほど西粟倉で台湾からの一行を迎え入れnottuoも視察を受け入れてきましたが、今度は私たちが台湾を訪れて様々な場所や機関を公式訪問し事業内容をプレゼンテーションする機会。
プラス私たちnottuoは別個の動きとして台湾のメディア企業を訪問し、コラボレーションの打診を含めた対話の時間も得てきました(その話はまた後日)。
特に台湾の地方都市:台東の中でさらに田舎のエリアを訪れたことは大きな収穫があって、観光ではないその土地との出会いから多くの刺激を得ることができました。

今年から動き出したnottuoの世界進出のアクションとして、6月のデンマークに続き11月の台湾と、また12月にも招待を受けて台湾へ再訪も予定していて、来年の予定も含めどんどんと世界へと行動が始まっています。
台湾Tour day1
最初に訪れたのが台北のセレクトショップ「地衣荒物」。
台湾のふるくから受け継がれてきた道具を取り扱いだけでなく、その技を現代の感性でリデザインすることにも取り組んでいて、古くて新しいものづくりをセレクトするお店の店主の話を伺う。
店主自身がグラフィックデザイナーであることも納得で、世界観の構築に目が行き届いた空間だった。
日本との交流も多いらしく、都内のいくつかのお店のことを互いに話したり、ものづくりの姿勢についてディスカッションすることができた。





台北を歩いていると、都市部にもしっかり昔の建物が残っていて新旧のグラデーションが面白い。
綺麗な建物の裏路地に一本入れば、また違った密度と乱雑さと気だるさが同居したような空気感が広がり、その土地の気配を十二分に感んじさせてくれる。






台湾Tour day1: TGDA
初日の夜は「TGDA:台湾グラフィックデザイン協会」の方々との意見交換の席へ。
nottuoが日本の辺境を拠点に取り組むデザインの仕事と、仕組みをデザインする点々の取り組みとをお話ししたが、同じデザインを手段としながらも互いに実践する内容を知ることができた。
世界中のデザイナーたちが、その土地でその時々の課題に向かい会って生み出すクリエイションは、直接本人から話を聞けることでより熱量とリアリティを持って成果も苦悩も感じとることができる
今後もnottuoは世界中へ出向きデザイナー達に会いに行き、そして世界中からデザイナー達を呼んでこようと思う、いい機会になった。

台湾Tour day2: 建築街散歩
朝一の政府機関への公式な訪問を終えてから、次のアポまでの隙間時間に台北の街並みを少しだけ散策する時間が取れた。
都市空間における公共建築や空間にその土地の文化が現れるもので、歴史や植生をダイレクトに感じられるのが面白い。
フロアごとにバルコニーの鉄柵の意匠を変えるのはオーナーの美意識だろうか。
交通標識の縁無しのカラーは都会の風景に急に差し色が入るようで新鮮な見え方だ。
アノニマスな建築にこそ透けて見える土着の魅力がある。












台湾Tour day3:先住民族アミ族の暮らし
台北→花蓮→台東と特急電車とバスを使って移動する日。
途中2箇所に立ち寄り台湾の先住民族アミ族の伝統食と現在の営みを知る。
1箇所目
金属加工の技術がなかった昔、人は調理器具に土器を生み出して煮炊きしていたのだろうが、一方で焼いた石で湯を沸かして煮るという技術も発明していた。
時間はかかる(石を焼くのに4時間!)がその辺の物で実践できるこの技は、広く世界中で行われてきたのだろう。
4種の野菜(栽培ではなく採集)に川海老を具材に、水と塩と唐辛子だけの味付けが何とも旨いのだから出汁の力はすごい。












2箇所目
海人の文化が残るエリアで実際にアミ族のアマさんの漁を体験する。日本の海人さんと違って女性は海には入らず磯場で貝や蟹を獲るらしく、スタスタと歩いては貝や蟹を捕まえている。道具を渡されたものの自分には全く獲れる気がしないので、石に張りつく珊瑚の死骸に不思議な美しさを感じて見入ってしまう。
最近特に気になる時間が生み出す造形に、ここでも出会えたことを嬉しく思う。











台湾Tour day4: Talk session in 台東・成功
台湾でのプログラム最終日は台東の成功という街で、元銀行をリノベーションしてカフェやイベントスペースとして運営している @culturebank66 を会場に、nottuoと点々のブースでの展示とトークセッションの公開イベントに参加しました。
西粟倉のクルーと台湾のクルーそれぞれのプレイヤーが交互にプレゼンテーションとトークセッションを行い、nottuoは「西尾半島」さんと海と山をフィールドにエリアブランドを作るもの同士の対談となりました。
国際交流はこれまでも多くの世界で行われてきましたが、こうして辺境同士を繋ぐPJというのも珍しく、とても意義のあることだと考えています。
僕たちnottuoもまさに辺境においてデザインの可能性を拡張することを使命として今後も取り組む上で、世界中の辺境の点と点が繋がるためにはこうしてリアルの場で対面し互いの熱量を感じることはまさに「百聞は一見にしかず」の言葉の通り。





イベントの合間にこの街をぶらり散歩してみると、その土地ならではの建築や植生や風景があちこちに見てとれるから面白い。暑い国の木が張り巡らす根の強かさや、気怠そうに道路に寝そべる犬も、日本のデコトラを感じさせる派手な漁船も、そこかしこにこれまで育まれた歴史や文化と慣習が潜んでいて、それがその土地の「臭い」を醸しているのだろう。
人間の脳は変化という刺激によって電気信号が送られて知覚できるように、村に住んでいるから村の外に出るように、日本を拠点にするからこそ海外へと出て行く。そうして変化と刺激を与えることで、自らが拠点とする場を正しく知覚し、その魅力を知るとともに伝える術を日々研ぐことを忘れてはならないのだ。












初めて訪れた台東で出会えた方々と、そこで知り得た土地の魅力を得て、代わりに日本の山奥の田舎で私たちが取り組む物語を置き土産に相互に得るものがあったことでしょう。
時間とお金とエネルギーを掛けてその土地に訪れることは、身体を伴った経験としての一次情報として深く刻まれるもので、そこにとても大きな価値がある。
得ることも与えることも等しく、経験に価値があることを今後の糧にしていこうと思う台湾での全体験でした。
今回のプログラムに関わる全ての皆さんに深い感謝を。

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後日談
トークセッション翌日の点々アイテムの販売会はスタッフに任せて帰国したが、ありがたいことに現地から開始1時間で完売の報告を受けました。
この時代、辺境もまた世界と繋がっていることを改めて実感できる機会となりました。
謝謝🥚