西粟倉・本社リノベーションのお知らせ

2020年秋の完成を目指して、nottuoは岡山県西粟倉村にある本社を全面改修し、新たにショールーム兼ショップ機能を加えた施設へとフルリノベーションを行なっています。

なぜこのタイミングで本社リノベなのか？

そのきっかけは新型コロナの影響でした。
緊急事態宣言が発令され、県外移動が自粛制限され、nottuoも完全リモートワーク体制で東京のマンションに引きこもっていた数ヶ月間で思い知ったのが、

「やっぱり田舎がいいや」

ってことでした。

東京は便利で人も情報も集まっていて、とても刺激的な都会です。
我々デザインの仕事を行うものとしても、日々移り変わる広告やトレンドといった人の欲求が渦巻く場に身を置くことは、それが良い悪いを抜きにして、アンテナを張らなければならない職業柄、重要な外部環境だと常に感じています。

でもね、「住む場所」として、やっぱり個人的には田舎の方が好きなんだなって改めて思っちゃいました。
これはもう、はっきり言って個人の価値観の問題で、この感覚を皆が共感してよっていうつもりもさらさらなくて、ただ僕自身が生まれ育った環境が仙台の周りは田んぼしかない田舎で育って、広がる田園の向こう側にキラキラした街があるって風景が原風景なんです。
そんな環境で育ったものだから、こうしておじさんになった今でもやっぱり、田んぼに広がる緑やカエルの合唱、水の音、ヒグラシの鳴き声に切なくなって、稲刈りの土の匂いで新米季節を感じたりする、五感のセンサーに心地よく響いてくるこの田舎の環境が好きなんだと、東京マンション缶詰暮らしで改めて再認識することになりました。

村に再投資宣言

Beforeコロナだった頃から、nottuoは西粟倉と東京の2拠点で活動を行なっていましたが、その実はやっぱり東京に重心が移っていたなーと今では（反省を込めて）感じています。
そもそも自分がこの西粟倉に移住したのも、きっかけは何であれ根底には「もう東京は住まなくてもいいや」という感覚だったからなのに、やっぱり仕事で行け行けドンドンしてると、東京での案件も増えていき東京事務所にスタッフも増やしていって拡大して行こうっなんて事業計画を知らず知らずのうちに書いてる自分がいたりしました。

でも、今回の新型コロナの影響で立ち止まって考える時間ができ、

自分が何をしたかったんだっけ？
nottuoっていう会社をどうしたかったんだっけ？

と、改めて見つめ直したことで、以前制定していたnottuoの
・フィロソフィ
・ミッション
・ビジョン
・バリュー
を大幅に作り変えることになりました。

▼nottuoが考えていること

https://nottuo.com/about

こうして生まれ変わったnottuoのビジョン『田舎で「かっこいい」をつくる。』を実現するために、まず着手しようと考えたのが、
●本社のリノベーション
●新メンバーの村採用
で、それを総称しSNSを通して『村に再投資宣言』を行ったのです。

僕たちnottuoは田舎でデザインの仕事を実践することはもちろんのこと、クライアントワークのみならず、自分たちも商品開発を行ったり店舗を持ち、世の中に発信する手段を持つことで、「かっこいい」モノを生み出すだけでなく、僕たち自身が「かっこいい」と憧れられる存在になってやろう！そのために、ずっと構想として温めていた『drill』プロジェクトを一気にこのタイミングで推進することにしたのです。

そう考えると、そもそも本社が古びた小屋のままじゃあいけないし、開発中のプロダクトやnottuoが関わった世の中の商品を一堂に会する場も必要だし、村でメンバー採用するにも、ちゃんと魅力ある職場を整備しなきゃ誰も働きたいと思ってくれないし、、、
じゃあ本社の小屋をフルリノベして、今のnottuoが考える「かっこよさ」を体現するしかないね！
というのが、今回の本社リノベの始まりだったのです。

どんな本社になるのか？

こうして本社リノベを思い立ったのが7月も後半、そこからは一気呵成のプロジェクトとなり、設計は社内の藤岡が担当し、施工は村内の小松組さんにお願いすることで、現在も突貫工事が続けられています。
（関係者の皆さま、本当にありがとうございます！！）

▼現状はほんとうに、ただの小屋

▼でも、ロケーションはサイコーでしょ

▼この通りからのアプローチがいいのよね

▼2F 事務所平面図（案）

▼1F ショールーム兼ショップ平面図（案）

とまあ、まだかなりラフ図面しかない状況なのですが、もう並行して解体作業をDIYで進めたり、上下水工事に着手したりとやりながら考えていくスタイルで進められています。
屋根と躯体（柱・梁）は既存のものを活かしつつ、外壁や間口、内装などは大幅に変更し全くの別物になる予定ですので、僕自身が一番楽しみにしていますよ。

今回の本社リノベは、大工さんや設備屋さんなど、村をはじめ近隣の職人さんたちにお世話になり、木材についても可能な箇所は村の杉・檜を活用する計画です。
もともとこの小屋は35年前に、大家さんの自分の村内の山で伐った檜を使って建てられたものでしたが、なんと今回お願いすることになった大工さんが、まさに35年前にこの小屋の建て方に参加していた方だったのです！！！
村だからこそ生まれる奇跡のストーリーがあって、やっぱり田舎の環境ならではの面白さがありますね。